晩年、祖父が満州での出来事を語ったのは
私が聞きたがったからではないだろうか。
祖父母の居間には 一枚の遺影が飾っていた。
白黒の軍服を着た若い男性。凜々しい顔立ちで
小さい頃から気になっていたけれど、訊ねてはいけないと感じていた。
幼心に もうこの世にいないと感じていたのかもしれない。
すっかり大人になってから 祖父の弟だと知った。
海軍に志願して 戦艦ごと空爆で沈んだ
19歳の遺体はまだ海底にいる。
口火を切ったように話してくれたのは
満州戦争で 自分が撃った弾が誤って仲間にあたってしまったこと
戦争が終わり、自分は生きて帰ってきたこと。
うなだれた祖父の 最初で最後の涙を見た日
長い年月をかけて教えられた 戦争の深い罪
昨夜、一人のお客様が教えてくれた。
「今日は終戦記念日だね」
言われるまで忘れている私がいる。
年末に閣議決定した「中期防衛力整備計画」
2019から5年間で購入する防衛装備品
「積極的平和」代は総額約27兆4700億円
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