確か、お正月だったと思います。
はるか昔、私が祖父母に「エビしんじょ(団子のようなもの)」
を作った日のこと。
本家から離れの祖父母の家へ運んで
見守る中、二人は食べ始めました。
祖母がエビのコロンとした塊1/2サイズを
勢いよく口にほおばって、次の食べ物を入れようとするので
「ゆっくり!少しずつ!」と注意していると、
突然、祖母の顔が上から下に
真っ白になっていって
バタリと横になりました。
「ばあちゃん!ばあちゃん!!」
祖母はエビでのどを詰まらせて倒れました。
抱えようにも、着こんで丸まった祖母の体は
びくともせず。
「救急車!救急車!ばあちゃん!」
叫びながら体を起こそうとしていました。
インターフォンのブザーを押して
本家の誰か(覚えていない)に救急車を頼んで
祖母を抱えてエビを出す。詰まった時
手を入れてはいけないと習いましたが、
歯を食いしばっているばあちゃんに
手など入れられない💦
とにかく背中を叩いて、何とか口を開けようと
ひとりもがいていました。
(ああ。ばあちゃんがわたしのせいでしぬかも。。)
餅を詰まらせる話は知っていましたが
エビだって、じゅうぶん小さくしたつもりだったのに。
隣でテレビを見ていた祖父が、
横たわったままの体制で
「放っとけ。どうせ いつかは死ぬんじゃ」
つぶやきました。
5分ほどでしょうか?
遠く救急車のサイレンが聞こえたときです。
ばあちゃんの口から、コロンと
えびが飛び出しました。
ばあちゃんの顔色は白からピンクになって
ばあちゃんは第一声。こう言いました。
「死ぬかと思ったー」
意識がなくなるなかで、自分の行方を
考えるんですね。
そんなことをふと思い出しました。
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