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しとしと雨。
鮮やかな赤い花柄の傘を見ました。

その柄を見つめていて
小学校の頃の記憶が蘇りました。

5年生くらいの梅雨の頃、
隣の家の同級生,かおりちゃんが
傘を新調しました。

お母さんが買ってきた、というその傘は
竹田の商店では見かけない、
ちょっと大人びた、
美しい鮮やかな花の柄でした。

その傘をさしているかおりちゃんが
羨ましくて、羨ましくて。
雨のたびに
母親に
新しい傘をリクエストしたものです。

しかし
そんな素敵な傘は見当たらず
羨望は
日々の生活が消していきました。

記憶というものは
不思議ですね。

それまで閉じていたパンドラの箱が
雨と傘で開くんだな。

かおりちゃん、
学校に着く頃には私は足下がびしょ濡れなのに
かおりちゃんはまったく濡れていないんです。

ピタリと傘を肩につけて
ランドセルと身体を守る姿が
今でも目に焼き付いています。

どう研究しても、濡れる。
行動が雑なせいで、同じようにはいかない。

傘とセットで、
私に横たわる。記憶の彼方。

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